ミッドサマー│明るいから怖い!ブッ飛びホラー恋愛映画?

ホラー
この記事は約9分で読めます。
えむやま
えむやま

今回はアメリカのホラー映画「ミッドサマー」の感想を書くよ☺ 後半にはネタバレが含まれているので、未鑑賞の方は注意してね!

スポンサーリンク

ミッドサマー あらすじ

不慮の事故で家族を亡くし悲しみのどん底にいた主人公ダニーは、恋人や友人らと共にスウェーデンの奥地で開かれる「90年に一度の祝祭」を訪れる。

沈まぬ太陽、美しく咲き乱れる花々、歌い踊る優しい村民たち…一見楽園のように見えたその場所だったが、言い知れぬ不気味さがダニーの心をかき乱していく。

次々と行われていく祭りの儀式。不穏な空気が渦巻くこの夏至祭から、ダニーとその仲間たちは抜け出すことができるのだろうか──?

ミッドサマー 予告編

サラッと感想(ネタバレなし)

予告編を見て気になってはいたものの、大スクリーンで見る勇気がなくてレンタル鑑賞になった一本。思った以上にブッ飛んでました…家で見てよかった。笑

ほとんどのシーンが明るく美しい色彩で描かれていて、ホラー映画にありがちな「暗くて何が起きてるのかわかんねぇ!」が全くないんだけど、それが逆に怖い。何が行われているかは完全に見えているのに、何をやってるのか解らない。全編通してすごく不気味で、見終わった後も心のザワザワが止まりません。

解らないものに取り込まれ、順応してしまう怖さ

世の中に怖いものはたくさんあります。オバケや病気、死、地震、雷、火事、親父…。では、それらは何故怖いのか。きっと、解らないからだと思うんです。オバケは正体がわからないし、死は訪れた先に何があるのかわからない。地震も雷もいつ起きるかわからないし、親父の考えは子供には理解しがたいものです。

この映画では、そんな「わからない恐怖」がひたすらに描かれています。何故そんなことをするの?何のためにするの?どういう意味で言ったの?鑑賞中、頭の上には常にハテナが飛び交います。

そして更に怖いのは、それが沈まぬ太陽の下で「完璧に見えている」ということ。暗くてよく見えないから最悪の事態を想像してしまってめちゃくちゃ怖い!ではなく、全部が明るく照らされてその行動ははっきりと見えているのにその本質がわからない。なのに登場人物たちは集団の中にだんだんと取り込まれていき、順応していく。わかろうとすればするほど、外から見ているだけの私には理解ができず不気味さはどんどん増していく…そんなじっとりした映画です。「こんな祭り、あってたまるか!」と思う反面、特定の地域では似たようなことが実際に行われているかも…と思ってしまうようなどこかリアルな儀式の数々は、静かに、しかし確実に恐怖を煽ってきます。

みんなのレビュー

レビューを見てみると、とにかく気持ち悪い!という意見が多数。そうだよね!私もそう思う!笑 ホラー的怖さを感じるかどうか、グロいと思うかどうか、結末がスッキリ感じられるかどうかは人によって半々くらいの印象でした。

また、人を怖がらせるホラー映画としては斬新な作りだったと感じた人が多かったようです。代表的なホラー映画といえばジェイソンやエクソシスト、ピエロなどが挙がってきますが、それらとは違うタイプの怖さを感じる映画だと言えるでしょう。人によっては精神的に辛くなる場面があるかもしれませんが、そこもこの映画の怖さであり面白さだと思います。

私の個人的オススメ度は★4

自分を見失わないように、気を確かに持って鑑賞してください。

引用:https://screenonline.jp/_ct/17360332

ネタバレ感想(見てない人はぜひ鑑賞後に読んでね)

この映画は、誰に感情移入してどの目線で見るかがとても重要かもしれない。ちなみに、私は誰にも感情移入できなかった。あえて言うならコニー(ダニーたちとは別に、恋人と二人でやって来た女性)かな…。とにかくずっと、ホルガの人たちや取り込まれていくダニーたちを、訝しんだ目で外から眺め続けることしかできなかった。

心を病んでいたダニーが自分を肯定できるようになって、遠慮することなく自分の欲求に正直になれた…心が解放されてダニー的にはハッピーエンド!やっぴー!なのはわかる。わかるけど!傷ついた心を救済するために集団に飲み込まれ、個人の理性を失う──すなわちただの現実逃避だ。それで何人も人が死んでる。あっちゃダメだろ、こんなことは。

健康な心で生きていくためには、自分に共感してくれる人や自分を肯定してくれる人が必要なのは実際問題その通りなんだけど、ペレダニーに対する言動は胡散臭すぎて嫌悪感しか感じられなかった。傷心の友達をねぎらったり、片想いの相手を口説いたりしているようには全く見えない。どう見ても、弱った心の前にエサをぶら下げて自ら食いついてくるのを待っている卑劣なカルト集団員。なのに、最初こそ違和感を感じてたダニーも最終的にはあんな見え見えな誘いに乗ってしまって、支えをなくした人の心がどれだけ脆いかを痛感する。人は誰でも何かしらに依存して生きていると思うけど、「依存先が生きる意味」になってしまうのは本末転倒だ。依存先が無くなれば死か、あるいはダニーのように新しい依存先を見つけるしかなくなってしまう。

最初、クリスチャンは何だかんだで悪いやつではないと思ってた。友達との旅行を隠してたのは不安定なダニーを揺さぶりたくなかったからだし、それがダニーの誕生日と重なってしまったのは皆との日程がどうしてもそこしか合わなかったから。友達がダニーを悪く言ったとき曖昧に返してたのも、実際そんなことは思ってないけど友達との間に波風立てたくなかっただけ。ダニーの誕生日を忘れたのもただおっちょこちょいだっただけだし、マヤとのSEXも薬で自我を失っただけ…ダニークリスチャンを悪く思うよう、ペレに操られてるんだ──と思ってたんだけど、どちらかというとクリスチャン目線で見ていた私がそう思いたい一心で観てたからそう見えてしまったのかもしれない。自分がうっかり誕生日を忘れたりするタイプ(最低)なので、それも手伝ったかも。あとからダニーの立場に立って考えたら全然感じ方が変わった。自分の恋愛観が浮き彫りになったような気がした。やっぱり目線て重要だ。

所々に出てくる味のある壁画ははっきりと物語の行く末を表していたけど、初回の鑑賞では画面に大きく登場したタペストリー以外ほとんど見ている暇がありませんでした。他に気になる事がありすぎて、後ろに小さく映った壁なんて見てられん!笑 でも、監督もそれをわかって作っていて、どこかのコメントで「先のストーリーをバラしてはいるけど、二度目じゃないと気付かないはず。二度目があればだけど」というようなことを言っていた。この映画には、この壁画以外にも様々な伏線や謎が散りばめられていて、二度、三度見ることでより楽しめる。何度見てもハテナが消えない私のような人は、公式サイトに用意された「観た人限定完全解析ページ」で答えあわせができます。まだ読んでいない人は、この機会に是非スッキリしてきてください。

⇨ オススメの映像系・音楽系サブスクリプションサービス

コメント

タイトルとURLをコピーしました