今回はアメリカのミステリー映画「オリエント急行殺人事件」の感想を書くよ☺ 後半にはネタバレが含まれているので、未鑑賞の方は注意してね!
オリエント急行殺人事件 あらすじ
エルサレムで事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、その直後イギリスで起こった事件の依頼を受ける。現場までの移動手段として急遽乗車した豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人富豪ラチェットから「脅迫を受けているため助けてほしいと」身辺警護を頼まれる。しかし、ポアロはこの依頼を断固拒否。その夜、雪崩で脱線し立ち往生してしまった車内でラチェットが何者かに殺害された!鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に聞き込みを開始する。
- ラチェットの秘書、ヘクター・マックイーン
- ラチェットの執事、エドワード・ヘンリー・マスターマン
- 医者のドクター・アーバスノット
- 家庭教師のメアリ・デブナム
- 亡命貴族の老婦人、ドラゴミロフ公爵夫人
- ドラゴミロフ公爵夫人のメイド、ヒルデガルデ・シュミット
- 陽気でおしゃべりな未亡人、キャロライン・ハバード夫人
- ポアロの友人で国際寝台車会社の重役、ブーク
- オリエント急行の車掌、ピエール・ミシェル
- 自動車のセールスマン、ビニアミノ・マルケス
- 宣教師、ピラール・エストラバドス
- 妻を守ろうとする若い夫、ルドルフ・アンドレニ伯爵
- ルドルフ・アンドレニ伯爵の妻、エレナ・アンドレニ伯爵夫人
- 人種差別的発言が目出つ教授、ゲアハルト・ハードマン
しかし聞き込みの結果、乗客全員に完璧なアリバイがあることが判明してしまう。容疑者は、乗客全員……。陸の孤島と化したオリエント急行の中で、ポアロはこの密室殺人の真実を見抜き真犯人を見つけ出すことができるのだろうか?
オリエント急行殺人事件 予告編
サラッと感想(ネタバレなし)
「ねじれた家」が面白かったので、アガサ・クリスティー繋がりで鑑賞。有名なタイトルだけど内容を全く知らずに見たので、意味深なセリフや表情に踊らされ続けたあげく、私の頭では想像できなかった驚愕のラストに思わず手を打ってしまった。そう来たか……!
本格サスペンスはどうしても登場人物が多くなりがち(多い方が面白いもんね)な上に、私自身がもともと聞きなれない外国人の名前をなかなか覚えられないタイプの人間なので、今回も例に漏れず登場人物の名前が全然頭に入ってこなかったわけですが、それでも顔でキャラクターを判断することで楽しめはします。これが小説だったらこう上手くは飲み込めなかったと思うので、「原作も気になるが、まずは映画で観る」という選択が私にとっては正解でした。しかし最後まで観終わった今、今回ばかりはちゃんと名前を把握できてたらもっともっと面白かったのに……!と悔しい気持ちでいっぱい。もし「原作未読で映画もこれから!誰が犯人なんだろう?楽しみだなぁ~!」という方がいたら、各キャラクターの名前にしっかりと意識を向けることをお勧めします。
一人の人間が起こした行動が、波紋のように広がっていく
みなさんは、自分の言動にどれくらい影響力があると思いますか?あったとしても、身近な家族、親しい友人、職場の同僚……思い浮かべるのはその辺りではないでしょうか。しかし実際には、「風が吹けば桶屋が儲かる」「バタフライエフェクト」というような突拍子なくも思える言葉があるように、一つの出来事が周囲に与える影響と言うのは想像するよりはるかに広範囲なのです。今回の事件も……おっと!ネタバレになりそうなのでこの先は映画を観て確かめてもらいましょう。笑
とにかく、「自分なんかちっぽけで周りに何の影響も及ぼさない」と思っていると、やりたい放題やってしまって周囲に悪影響を及ぼす可能性もあります。自分にとっても周りにとっても良い環境を作るため、自分の言動には責任をもって生活していきたいなぁと強く感じました。
みんなのレビュー
レビューを見てみると、超有名タイトルであるがゆえに「既に犯人を知っている」「1974年に公開された同タイトルの映画を鑑賞済み」という方々が非常に多く、彼らの多くは比較的低評価をつけています。やはり原作が小説の人気作品ですから、個々人の「ポアロ像」など、頭に思い描く理想像があるんだろうなぁという印象。
逆に、私のように「原作未読」「犯人を知らない」「ポアロも初見」という層は高評価を付けている人が多いように感じました。原作ありきの実写化ですから、事件のタネは変わりません。既に内容を知っている人は、現代の技術を使った映像美や豪華キャストの競演を、純粋に楽しむつもりで鑑賞するのが良いかもしれません。
私の個人的オススメ度は★3.5
聞き取り調査のシーンは、ポアロの助手になったつもりで真剣に聞きましょう。
ネタバレ感想(見てない人はぜひ鑑賞後に読んでね)
まったく無関係だと思ってた乗客たちが、徐々に線で結ばれていくのが超気持ちいい!終盤、ポアロが犯人を推理していく場面で、ずっと「誰だ?どいつが犯人だ??」て考えまくってたんだけど、冒頭に解決した別の事件の「利益を得るのは誰だ?」て回想が出てきた所で、一緒に観ていた旦那と声を揃えて「アーーーーーーーッ!刺し傷12ヶ所!!なるほどーーーーーッ!?」てなってめちゃくちゃスッキリしました。笑 この全部が繋がったときの高揚感が最高だからミステリーはやめられん……!
一つの事件がマイナスの連鎖を生んで、負の色に染まった人たちが元凶を潰す。法律では、相手がどんな悪党であっても殺人は悪だ。でも、気持ちは痛いほどわかる。たとえば家族がひき逃げ事件にあったとして、犯人は確実にアイツだが確たる証拠がない。あるいは、条件が揃わず法で裁くことができない。アイツは今日ものうのうと生きている……てなったら、やっぱり最悪の方法を考えちゃうよね。それが12人集まったらもう止められないよ。初見の私はポアロをすごくお堅い&変人なイメージで見てたから、最後にその皆の気持ちに寄り添ったところはすごく意外だったんだけど、そのおかげでこの名探偵がすごく好きになりました。
こんなに面白いアガサ・クリスティーを今まで読まなかったのも勿体ない気がするけど、今まで知らなかったからこそめちゃめちゃ楽しめたわけだから、有名な作品を知らないと言うことも悪いことではないなって思った。笑
ちなみに、2020年12月18日には続編の「ナイル殺人事件」が公開されるそうなので、そっちも観たい!けど、最近またコロナの感染者数増加がひどいので、どうしても映画館に行くのを躊躇してしまう……早く気軽に出かけられるようになると良いなぁ。
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