ロミオ&ジュリエット│見目麗しく純粋な二人の幼さが招いた悲劇

ラブロマンス
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えむやま
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今回はアメリカの恋愛映画「ロミオ&ジュリエット」の感想を書くよ☺ 後半にはネタバレが含まれているので、未鑑賞の方は注意してね!

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ロミオ&ジュリエット あらすじ

モンタギュー家キャピュレット家は、ヴェローナ・ビーチで勢力を二分するギャング。互いを目の敵にしているため抗争が絶えず、街を巻き込んだ銃撃戦が何度も行われている。

モンタギュー家の若い一人息子ロミオはロザラインという女性に恋をしており、一方キャピュレット家の若い一人娘ジュリエットは金持ちでイケメンのパリスに求婚されていた。そんな中、親友のマキューシオに誘われたロミオはキャピュレット家の仮装パーティーへと忍び込み、そこで出会った一人の女性と恋に落ちる。

パーティーからの帰り際、その相手が敵対するキャピュレット家の一人娘ジュリエットであると知りショックを受けるロミオだったが、断ち切れない思いを胸にキャピュレットの屋敷へと忍び込む。ジュリエットと再会し、燃えるような恋心をぶつけ合った二人は相思相愛となるが、二人の恋には家柄という大きな試練が立ちはだかっていた───。

ロミオ&ジュリエット 予告編

サラッと感想(ネタバレなし)

シェイクスピアの古典劇「ロミオとジュリエット」の舞台を現代に置き換えた、お茶が100杯飲めるくらいの甘々ラブストーリー。とにかく甘い!セリフが甘い!レオ様のマスクも甘い!そして若い二人の考えも甘い!!笑

もともとコテコテの恋愛映画はあまり観ないタイプなのですが、某YouTube大学で紹介されていたあらすじを見て興味がわいて、夫と二人で鑑賞。映画の前情報は一切入れずに原作のイメージで観始めたため、初っ端からギャング達によるギャグタッチな銃撃戦シーンが始まって一瞬「あれ?これディスクあってる?」と思ってしまったけど、あの小物達の銃撃戦が後に起こる事件への玄関マット的な位置づけだったんだなぁ。

時代は20世紀、セリフは14世紀

この映画では、原作で「宗教派閥」だったものを「ギャング」に置き換え、「馬で移動し剣で戦う時代」だったものを「車で移動し銃で戦う現代」に置き換えています。しかし、愛と言うのはいつの時代も普遍的なもの。大きな障壁に立ち向かった若い二人の愛の形は、時代を超えても全く違和感はありません。現代の発達した心理学においても、二人の名を冠したロミオとジュリエット効果という言葉が使われているんですから凄いですよね!

でも……でも一つだけ、私がこの映画を「現代の映画」として観た時に、どうしても気になって気になって仕方なかったのがセリフです。原作を読んでいないので確かなことは言えないのですが、セリフの多くはシェイクスピアの戯曲をそのまま再現しているようで、特に愛を語るシーンなどではどうしても「現代のギャング達がそんな会話するか?そんな素敵な言い回しどこで習ったんや?お??」と言う気持ちになってしまって……。リアルな現代と重ねてしまった結果最後まで違和感が拭いきれず、ちょっとフワフワした立ち位置で観終わってしまいました。ちなみに私は夫の要望で吹き替え版を観たのですが、私の人生にはあんなに甘い愛の言葉を日本語で紡ぎだす方が未だかつていらっしゃらず全く免疫がなかったので、これが違和感が大きくなってしまった一番の要因だったかもしれません。字幕で観てたらイメージ違ってただろうなぁ……。

しかしながら、原作に基づいた独特の言い回しで古き良き芸術の雰囲気を楽しめたのは事実ですし、レオ様の甘いマスクと甘い言葉のコラボレーションが最高だったことは間違いありません。これからご覧になる方は是非、非日常的で甘美な世界を楽しんでください!

みんなのレビュー

レビューを見てみると、主演の二人や表現、映像などがとにかく美しい!という意見が多数。古き良き名作を現代にアレンジし、ガラッと雰囲気を変えた手法に驚かされた、拍手を送りたい!と言う意見もかなり多かったです。しかし、否定的な意見の中にも現代アレンジへの言及が多く見られ、こちらはアレンジによって古典の良さを失っていると言うものが多かった印象でした。また、私と同じように、原作に忠実なセリフ回しによって世界に入り込めなかった……という声もちらほら。

同じ要素を切り出しているのに、人によって感想が180度違うというのは面白いですよね。この映画は特にそういった二極に割れたレビューが多く、良いも悪いも表裏一体といった感じでした。

私の個人的オススメ度は★2.5

うっとりする心の準備をしてから、字幕で観ることをお勧めします。

引用:https://eiga.com/movie/1125/

ネタバレ感想(見てない人はぜひ鑑賞後に読んでね)

元々恋愛映画を観ないタイプだからより強く感じることかもしれないんだけど、恋愛映画を観る時って気持ちも大事だよね。何というか……うっとりしたい気持ちとか、キュンとしたい気持ちがまず必要。ミステリーとかホラーとかコメディとかアクションとかは何の心の準備もなく観られるんだけど、ヒューマンドラマやラブロマンス系はその時の心持によって作品の受け止め方が違ってくる気がする。今回は夫と一緒に観たけど、夫も進んで恋愛映画を観るタイプじゃないので鑑賞中にお互いツッコミあったりしてしまって、ラブロマンスの本来の楽しみ方から外れてしまったなぁ……これは一人で観るべきだったかもしれないなぁと後悔しております。あと字幕で観なかったこと。これはまじで特に後悔。

敵対しあう両家の子供同士が瞬く間に恋に落ち、家柄という障壁と噛み合わない歯車に踊らされた若い二人は最後、一緒に命を落としてしまう……。大人目線で見ると、死ぬ覚悟があるなら最初から後先考えず家も街も飛びだしてどこか遠くに逃げても良かったんじゃないか?この作品のロミオのヤンチャ具合ならジュリエットをさらうこともできただろうし、ロミオにべた惚れだったジュリエットなら最初は困惑の色を見せつつも最終的には喜んでついてきたのでは?と思ってしまうんだけど、それが出来なかったのは結局「若さ」が原因なんだろうなって思った。若さゆえの勢いで犯す過ちをも、まだ犯せないほどの若さ。親や大人に無意識に従い、助けを得ることで生きている若さ。幼さと言っても良いかもしれない。大事に囲われて生きてきた幼い二人には、自分の運命を切り開く能力と自分を覆う囲いをぶち壊す勇気が圧倒的に足りなかった。だからなんだかんだで人のアイデアや手を借りて、上手くいかない現実にもがき苦しんだんだよね。そして、自分たちにできる最大限の決断をやってのけたとき二人は命を落とし、それが両家の和解へと繋がる。二人の決断は殻の外に影響を与えたが、二人は殻の中に閉じこもり、永遠に幼いまま──とんでもなく皮肉で悲しい最後だ。

と言っても、若さが羨ましく思える部分もある。ロミオは毎日思い悩むほどロザラインという女性が好きだったはずなのに、パーティーで一目見ただけのジュリエットに一瞬で心を奪われちゃうところとか。あ~~~できるんなら私もこんな電撃的な恋してみたかった~~~!!でも、ジュリエットと恋に落ちたあと、ロザラインの話題が出たときに「あの人は(今恋してる相手とは)違います」ってバッサリ切り捨ててたのは潔くて面白くもあり悲しくもあったな……。笑 幼い二人に感情移入できなかったぶんツッコミ入れたくなるところがたくさん出てきちゃったけど、こんな汚れ切った大人になる前、小・中学生くらいの真っすぐで純粋な心で観てたらもっともっとキラキラした素敵な映画に感じてたんだろうなぁ。何で今まで観なかったんだろう。惜しいことをした。

ちなみに、私が好きなシーンは、ロミオがロレンス神父にジュリエットのことを話していたとき、神父が「回りくどい曖昧な言い方はやめろ。曖昧な言葉には曖昧な言葉しか返せない」って言ったところ。神父が私の心をまるまる代弁してくれたので、最後のキャンドルに囲まれた綺麗なシーンを抑えて第一位です。

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